新技術・新素材
近年「水系洗濯(家庭用洗濯及び商業用ウェットクリーニング)」のニーズが高まっており、 この背景として 「(1)地球環境問題」 「(2)水性汚れの除去
」「(3)経済性 」が考えられ、またこの傾向はさらに強くなることが予想されます。
ウールを水洗いすると収縮するのは、羊毛繊維表面のスケールにおける毛根から毛先方向への摩擦係数と、逆方向の摩擦係数の相違が原因しています。
さらにウールが吸水するとスケール全体が外側に反った形となることによって、繊維が互いに絡み合い収縮します。
この現象をおさえるウールの防縮加工は、 主として塩素処理によりスケールを除去しウールを改質する方法と、
樹脂で繊維の表面を被膜することにより繊維の移動を抑える方法が、一般的にとられています。
しかし塩素処理法は環境問題を抱えています。樹脂加工法は一般的にBAP樹脂 (Bisulphite Addct
Polyisocyanate:重亜硫酸付加ポリイソシアネート)が使用されますが、この加工法の欠点はどうしても風合いが剛くなることです。
この状況下で当社は、新しいタイプの樹脂(均一付着性タイプ)の使用と、ランベルティー社との技術提携により、極めてソフトな水系洗濯対応素材「ニッケアクアウォッシュ」を開発しました。
「ニッケアクアウォッシュ」の洗濯時の寸法安定性はイージーケアー・ウールスーツ基準(IWS TM31法1.5%以内)に合格しています。
また主な特長は
- 従来のBAP加工品に比較して極めてソフトな織物です。
- ストレッチ性があり快適な織物です。
- 接着芯地の剥離強度が従来BAPと比較して大きい織物です。
- 塩素処理を行なわない加工法であり、水系洗濯対応素材であるため 地球に優しい織物です。