PROJECT.01

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ショッピングセンター
リニューアル
プロジェクト

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ニッケグループは国内2カ所で大規模なショッピングセンターを運営している。その一つが千葉県市川市にある「ニッケコルトンプラザ」だ。地域に不可欠な買い物スポットとなっている同施設に、今の時代に即したリニューアルを行うためにプロジェクトチームが立ち上がった。プロジェクトに携わった4名に、それぞれの視点から語ってもらう。

C.O.

C.O.

ニッケ・タウンパートナーズ株式会社 出向
取締役営業本部長兼開発事業課長
文学部 文化学科 卒 / 2003年入社

キャリア採用で入社し、ニッケコルトンプラザの販促担当としてキャリアをスタート。以来ショッピングセンターに関わる様々な職歴を重ねて現職に。

K.T.

K.T.

ニッケ・タウンパートナーズ株式会社 出向
パークタウン事業課 営業・販促チーム
環境人間学部 卒 / 2021年入社

入社後、コルトンプラザ事業課に配属となり、新人ながら本プロジェクトに参画。現在はもう一つのショッピングセンター「ニッケパークタウン」の販売促進を担当中。

T.N.

T.N.

ニッケ・タウンパートナーズ株式会社 出向
コルトンプラザ事業課 施設・経理チーム
文学部 哲学科 卒 / 2018年入社

入社後、コルトンプラザ事業課の営業職に着任。本プロジェクトでは施設担当としてテナント改修等の技術的な仕事に当たった。

S.N.

S.N.

ニッケ・タウンパートナーズ株式会社 出向
コルトンプラザ事業課 営業・販促チーム
文学部 スペイン語学科 卒 / 1997年入社

キャリア採用で入社し、一貫してコルトンプラザ事業課に所属。営業や販売促進で磨いた業務ノウハウを本プロジェクトでもいかんなく発揮した。

STORY.01

今日の、明日の、お客様
ニーズ・ウォンツに
応えられる施設へ

1988年にオープンしたニッケコルトンプラザは、誕生から35年以上にわたって地域住民に愛され親しまれるショッピングセンターだ。これまで時代ごとに合わせたテナント展開や施設の改装を適宜行ってきたが、以前から一部エリアのテナントの視認性のほか、テナント展開に問題やご要望をいただいていた。そこで2020年、広大な敷地の中央部に建つセンターモールのリニューアルプロジェクトが発足。営業本部長のC.O.が全体を統括し、今日の多様なユーザーニーズに応えるため、施設改修の取り組みが始まった。

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「ニッケコルトンプラザは地域に密着した、たくさんのお客様が週に何度も訪れるような施設です。それゆえ、お客様が飽きないよう、常にアップデートしていくことが非常に重要です。またファミリーや高齢のお客様が多かった一方、学生など若い人たちにもっと来てほしいというのも、私たちから見た課題の一つ。さらに、施設をめぐる動線が複雑で死角になりやすい場所があり、テナントの売上とお客様の利便性が低下している点も問題でした。これら3つを解消することが今回のリニューアルの目標になりました」とC.O.がプロジェクトの背景を具体的に説明する。

リニューアルを完遂するには、広範な年齢層のお客様にとって魅力ある新店を誘致するとともに、約150のテナントが入るセンターモールの大幅な施設改修を行うことが必要だった。もちろんその間の営業を止めることは許されない。これらを同時に推進するため、全体を統括するC.O.のもとプロジェクトチームが立ち上がり、K.T.、T.N.、S.N.の3名がメンバーとして集結。K.T.が新規テナントの誘致、T.N.が施設改修工事の管理、S.N.がお客様への広報・販売促進活動をそれぞれ担当し、チーム一丸となって走り出した。

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STORY.02

担当分野ごとの難題を
乗り越えてゆく

プロジェクトが動き出すと各メンバーには様々な難題が押し寄せた。新規誘致に関してはチーム全員で議論を重ねた結果、お客様ニーズとウォンツ、最新トレンドに合致する複数のテナントを厳選してピックアップ。その営業アプローチに当たったK.T.が、自身が経験した困難について次のように語る。

「私は当時入社1年目の新人で、色々な先輩方から営業手法を学んでいた段階でした。そんな中でテナントの賃貸料や場所、面積などについて合意点を探り、入店まで調整していくのには相当苦労しました。こちらが入店を望む先なので一度断られても諦めず何度も営業交渉に出向き、想いとメリットを誠心誠意伝え続けることで一つひとつ誘致の道が開けていったのです」

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新店候補には厨房を必要とする食品スーパーも含まれていた。誘致するのは、元はファッション雑貨店だった区画。そのため、既存の施設構造に新たに換気設備や排気管を設けなければならなかった。その工事面で頭を悩ませたのがT.N.だ。T.N.はもともと営業を担当しており、施設工事に関わるのは初の挑戦だった。

「排気は上へ逃がすのが常識です。当初計画では入店予定区画の上部に排気管のルートを通そうとしていたのですが、天井を開けてみるとすでに他の排気管や配線が存在していてスペースがありませんでした。他店の上部を迂回させるとルートが非常に長くなり、工事のコストが跳ね上がることもわかりました。改修施工を依頼した建築のプロとさんざん解決方法を検討・協議を重ねた結果、発見したのが床下に排気スペースがあったこと。それなら、発想を転換して下へ逃がそうと。ニッケコルトンプラザはテナントフロアの下の階が駐車場になっているので、そちらへ排気ルートを設ける決断でこの難問を乗り越えました」とT.N.が苦心しつつも異業種との協業で得た経験を振り返る。

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リニューアル工事は夏休み期間を挟んだ約4カ月にわたって行われ、広々としたセンターモールの至る場所が工事囲いで覆われた。販売促進を担うS.N.が特に力を注いだのが、その間の集客を落とさないための工夫である。

「既存テナントが営業している周りの様々な場所に、工事を隠す白い壁ができるわけです。当然、各テナントの売上減や、お客様への利便性の低下が想定されました。そこで工事中の動線が分かりやすくなるよう案内板を壁に掲示したり、絵画や詩などお客様からの募集作品を展示したり、営業面ではマイナスとなる囲いを楽しく活かすことを皆で考えては、次々と実行していきました。それが功を奏し、工事による営業的デメリットは最小限に抑えることができたと思います」というS.N.の言葉に、C.O.もうなずきを見せる。

STORY.03

プロジェクト完遂後の
それぞれの思いは

プロジェクト始動から約3年が経過した2022年秋、新生ニッケコルトンプラザが全面営業を開始した。一般的にショッピングセンターのリニューアル効果持続は3カ月程度とされている中で、今回ニッケコルトンプラザはリニューアルオープン以来18カ月連続で売上高の前年比プラスを達成(2024年4月時点)。ニッケが定期的に行っているモニター調査での地元住民の評判も上々で、さらに業界専門紙においてテナントが選ぶショッピングセンターのイノベート賞も受賞したのだという。

取材の最後に、メンバーたちに同プロジェクトが成し遂げた価値と、それぞれが参画して得たものについて聞いてみた。

「今回のプロジェクト成功で関東圏におけるニッケの知名度をグンと広げられたのでは、と思っています。個人的には、自社のショッピングセンターの大規模リニューアルはそうそうあることではないので、それを経験できて自分が一足飛びに成長したように感じています」(K.T.)

「本プロジェクトはニッケグループ全体の中でも施設リノベーションの好事例となったのではないでしょうか。また、もともと営業だった私が施設工事の管理を担当することになり、まったく知らなかった建築分野の知識を得たことは今後の仕事に向けた一つの財産になったと思っています」(T.N.)

「工事期間の集客に加えてリニューアル前後の販売促進・広報活動に幅広く携わったことで、お客様やショッピングセンター施設を改めて見直す視野の広がりと、他部署や他企業と連携する大切さを感じることができました。地域の皆様にも、記憶に残るよいリニューアルをお届けできたように思います」(S.N.)

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プロジェクトのまとめ役を果たしたC.O.は、ニッケコルトンプラザが持つ社会的意義を含めてこう締めくくった。

「地域活性化やSDGsが求められる中で、年数が経った商業施設をリノベーションで鮮度を保ち、テナント様、お客様に支持をいただけていることは大きな意味があると思います。ニッケコルトンプラザは地域のお客様にとって単なる消費地ではなく、その存在によって安心感を与え、コミュニティを提供できる場所でありたい。それをしっかり次代に継承していくために、これからもお客様やテナント様が喜ぶ顔を全力で追求していきたいと思いますし、同じ思いを共有できるメンバーを増やすことが今の私の使命だと考えています」

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