ニッケ ”声”を明日につなげる ニッケをクリエイト! プロモーション MOVIE

事業内容

新技術・新素材

 

 

日本の銘品「MAF」 ~「繊研新聞」掲載記事~

当社の最高級素材である「MAF」の素晴らしさは、繊研新聞でも紹介されました。
(以下紙面掲載内容。H18年3月27日付4面)

 

羊からこだわる高級毛織物
日本毛織が紳士・婦人服他の最高級品として販売している「MAF」(メリノ・オーセンチック・ファイン)。アパレル製品に快適なウールのメリノ種は豪州産が多い中で、MAFの原料素材はニュージーランド産で最高級クラスのエキストラスーパーファインメリノだ。"ウールのニッケ"が「繊維の宝石」と発売してから14年、高級紳士・婦人服市場に定着している。

世界一の羊毛を
「アパレル製品の差別化は原料素材から」と綿花は産出国の農場、羊毛は牧場などと提携している紡績は多い。しかし、MAFは、さらに深くこだわり、ニュージーランド農水産省技術局(MAF・tech)と提携し、「世界一のファインウールを創出しよう」と共同研究・開発に取り組み、品種改良された羊毛だ。日本毛織にとっても「羊の生態研究にまで踏み込んだ開発は初めて挑戦」だった。
ニュージーランドの羊毛は、カーペットなどに使われる雑種羊毛が大半を占めているが、88年に農水産省技術局が付加価値の高いファインウールの開発に着手、日本毛織に参加要請した。これにより同年11月に研究契約を締結し、MAFプロジェクトはスタートした。飼料の改良から羊毛の痛みを防ぐための室内飼育、ラグ(布)の着用など様々な試みがなされ91年、最も細いタイプでは「カシミヤより細い13ミクロン」まで産出するようになった。

技術陣が一目惚れ
当時の日本毛織の技術陣は「一目惚れした」。営業幹部らも惚れ込み、高級品市場への本格参入。イメージアップ作戦の「キー商品」として全社挙げてMAFの商品開発・販売に乗り出した。こうして92年秋冬から紳士・婦人服地として市場へデビュー、その後、織り糸、ニット糸、毛布などへと広げていった。
もっとも当初は、最高級品として育てるという思いが強すぎたのか、アパレル・小売店などから「物は良いが、高い」とされ、量的には余り売れなかった。そこで00年夏、「MAFの普及」へ立ち上げたのが創作工房や営業、技術部門など全社横断のMAFプロジェクト。この時、「MAFは18ミクロンより細いニュージーランドメリノ」と定義し、13~18ミクロン(スーパー110~200)使いの商品展開を始めた。以来、MAFを採用する紳士・婦人アパレルが増え、小売店でもMAFを使った商品が目につくようになる。
紳士服地は72~100番双糸使いを中心にストライプ、チェック柄など多彩な生地を開発、「日本のサラリーマンが日常に着用できる高級スーツ」向けに販売し、着実に売り先は拡大していく。婦人服地は72番双糸以上で、150番単糸使い、カシミヤ、シルクとの混紡織物などを開発、トラディショナルブランドからDC、キャリアブランド、さらにSPA(製造小売業)へと広がっていった。02年9月からパリで開催される国際テキスタイル見本市「プルミエール・ヴイジョン」にもMAFを出展、欧州有名デザイナーブランドなどにも採用されるようになっている。
日本毛織の最高級品はMAFという評価は、市場で定着してきた。この数年、国産毛織物が減少している中で、販売数量は年率5%は増え続け、年間2000反以上へと拡大している。今も同社がMAFにかける意気込みは強い。07年春夏向けにはMAFと生糸の交織、シルク・モヘア混の紳士服地、MAFのコンパクトスパン糸使いの婦人服地など生地開発を一段と強化、MAFを「メード・イン・ジャパンの代表素材」として育成していくことに力を注いでいる。
日本毛織が「MAF」を最高級品として位置付けているのは、豪州産のメリノと比べ「異なる性状」を持っているからだ。その最大の違いは「クリンプ(巻縮)と白度」。クリンプの数は少ないが湾曲が大きく、かさ高、ねじれ剛性率が高い。したがって仕立て映えのある服が出来る。また、「見た目で白いと分かる」と言うほど白度が高いので発色性に優れ、色の冴えが出る。ニュージーランドの気候、。風土から育まれたものだ。アパレル製品の差別化は、こうした他に出来ない原料素材を、どう活用するかにかかっており、MAFは、それを実現した典型的な素材と言える。

 

「新技術・新素材」トップへ

ページトップへ